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2006年11月28日 (火)

この世から愛を込めて

ジミ・ヘンドリックスは見た目よりずっとずっと繊細である。下の歌詞を読んでみて欲しい、なんと豊かな詩情だろうか。ところどころにサイケでカラフルな時代性を取り入れながら、とても美しい仕上がりになっている。

ジミの魅力については語り切れないものがあるが、サイケな音像の中に時折見せる美しさ、というのも大きな魅力のひとつである。
例えば、エクスペリエンスのファーストアルバム所収の『サード・ストーン・フロム・ザ・サン』がある。この曲は、自らの新しいロックを、地球人の未知との遭遇として比喩したものだが、音楽はというと、ノイズ・ミュージックのような様相を呈している。しかし、この曲がノイズになりえないのは、ひとえに印象的な湿ったギターが紡ぎ出すクールなメロディによる。
『リトル・ウィング』におけるイントロも非常にメロディアスかだが、これはコード崩しと呼ばれる手法で、繊細なプレイの隠し味とも言える部分だ。この曲は歌詞・音楽ともに、ジミの持つ美しさの象徴とも呼べるものだ。
もちろん、ジミを語るにこういった側面のみというのは不十分である。音色、奏法、ブルースの発展としてのジミ、ボーカリストとしてのジミ、リズムのとりかたっファンク、ジャズ・インプロヴィゼイション的な要素、時代性、ファッション・センス。あらゆる観点から抜きんでているが、今まで述べてきたことは最も本質に近い気がする。
ジミ・ヘンドリックスは詩人なのだ。

リトルウィング

彼女は雲の中を駆け抜ける
それはさながらサーカスのように
蝶々にシマウマ
月明かりにおとぎ話
彼女は風に乗って、そんなことばかりを考えてきたんだ

僕が悲しんでいると飛んできてくれる
とびきりの笑顔で自由を与えてくれる

そして彼女は言う
“だいじょうぶ、だいじょうぶ、
あなたの願いは全て私が叶えてあげるから”

飛んでいけ
僕の小さな翼 飛んでいけ


by Jimi Hendrix

2006年11月16日 (木)

クールの誕生

最高にカッコいいアルバムを手に入れた。
PAPUDINHO/ESPECIAL!という、トランペットのパプヂーニョ率いるボッサでジャズィーでポップな傑作だ。
1969年とは思えぬクオリティ。名曲の、原曲を越えるカヴァー。
編成も、多彩な楽器を生かした小気味良いテンポで活きる。
トランペットを中心にテナーサックス、フルートがソロを回し、エレキギターとオルガンとドラムスがタイミング良く突っ込んでくる。ベースもボンゴもノリノリで、踊れるアルバムに仕上がっている。
全く、何て形容すべきか皆目見当のつかないカッコ良さ。

2006年11月11日 (土)

あゆみ

一日生きるということは、一歩進むということである

日進月歩

幸せは歩いて来ない、だから歩いていくんだね

2006年11月 8日 (水)

まったく忙しいのである。一日があまりに短いのである。
きっとここらから来年にかけてが高校生活最大の正念場なのではないだろうか。
そう思うに至った訳はいろいろと要因ありて、ためにあえて書かないのである。

忙しい中に、唯一の楽しみがある。それは、『霊界物語』を読むことだ。食前や寝る前など、実に限られた短時間しか読めないが、それでも素晴らしい深みを得ることができるのである。
この作品は非常に長い。原版は81巻のものであり、読書状況は未だ1巻分にも満たない。
そんな大著を何故読んでいられるか、それはひとえに内容の面白さに尽きる。
作者の出口王仁三郎は昭和初期に爆発的に流行した大本教の創早期の宗教家で、空海レベルの天才であったと言われる。
別に大本教を信仰しているわけでもないが、この作品が素晴らしいのは事実である。一部の宗教家や愛好家にのみ流行しているのは実にもったいない。世に広く出すべき名著である。
まず、物語のスケールが半端じゃない。今まで読んだことのあるものと対比するなら、例えば『三国志演義』。個性ある武将や軍師や美女や毒婦が、中国大陸全土をところ狭しと暴れ回る、血沸き肉躍る痛快な歴史物語である。
しかし、舞台の広さは霊界物語には及ばない。地球上及び周囲の宇宙、そして神界・霊界・人界という異世界が錯綜するという空間的なスケールが尋常でない。
他には『戒厳令の夜』。五木寛之の傑作で、失われたスペインの天才画家の名画を巡って舞台となる70年代の九州をはじめ、アジェンデ政権下のチリ、戦後の日本、第二次大戦期のパリ・ベルリンとカタロニア、そして古代の筑豊までが絡む時間軸と空間軸の絡みが絶妙な作品である。
しかし、霊界物語の時間軸は宇宙誕生と地球創成、神代の神政と古さは考えうるところ最大の古さであり、そして遥か未来まで話が及ぶ。
まったく、これだけ話のスケールが大きい物語はそうそう無いだろう。手塚治虫の『火の鳥』が唯一迫れるところではないか?

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