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2007年7月19日 (木)

7月のプラトン

縁側にいるのは一人の書生と、その友と見られる活発そうな、帽子の男。


帽子「ところでサ、やれ哲学だ思想だって言うけれども、あんた一体どんな聖人君子から始めたんだい?そらいるだろう、東洋なら孔孟や老荘だったり、親鸞さんだったり。」

書生「ああ、僕はね、やろうッ、って決めた時にはもうプラトンを握り締めていたんですよ。」

帽「そうかそうか、それぐらいなら俺だって知ってるよ、プラトンだろう、イデーなんとかの。」

書「イデアね。」

帽「そう、それ。でも何だって、そんな昔のから?ふつう若者は春樹は読んでも露伴や紅葉は読まないようなものじゃあないのかい。」

書「確かにその通りですよ、別に太古の著作は読まなくても哲学も文学もできますよ。」

帽「だッたらどうして。」

書「向こうの国ではソクラテスが革命児で、プラトンがその後の背骨なんです。大局的に見れば、ギリシャ哲学自体が背骨とも言えるんですよ。マルクスだって、最初はギリシャ哲学研究から始めてますし。」

帽「へぇ、背骨ねえ。じゃあソクラテスープラトンが始祖みたいなもんかい?」

書「いや違いますよ。ギリシャ哲学なら始祖はタレスですし。そもそも、ギリシャ哲学よりもっと古い、ゾロアスター教がありますよ。これが東西哲学の祖なんです。だからプラトンは端じゃなくて真ん中なんですよ。」

帽「なんと、あのゾロアスターが。」

書「そうです、ゾロアスターを奉じてたアーリア人の大移動で、一派はインドに、一派はギリシャに到着したんです。それがウパニシャッド、仏教、ジャイナ教、ギリシャ自然哲学の共通の祖なんです。それにアーリア人の移動は気候変動が原因なので、中国はそのアフターマスを受け、周朝が衰弱し春秋戦国の幕が開いたのです。」

帽「すると、聖賢乱立もそのせい…?」

書「そうです、釈迦、マハーヴィーラ、ヘラクレイトス、ピタゴラス、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、孔子、孟子、老子、荘子、孫子、墨子…これら世界的な百家争鳴が同時期に起こったのは、偶然じゃないのです。」

帽「こりゃあブッたまげた。プラトン氏がそんな時代に生まれってたとは。」

書「まさにこの時代が哲学の背骨なんです。でもまあ僕はそんなことは知らずに、プラトンの『ソクラテスの弁明』から始めることにしたんですよ。」

帽「実に楽しそうな時代だなア。世界中の哲学者は、結局そこに戻るんだねェ。」

書「それと科学者もね。」

帽「哲学も科学も寒き嚔(くさめ)哉、ってね……ところで俺たち、何で話してるんだっけ?」

書「プラトンだからでしょう。」

帽「アッ、対話篇。」

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